だけど、この子がそれを知る必要は無い。

「お兄ちゃん?」

「ん?」

「お兄ちゃんはどうしてそんな顔で笑うの?」

「変?」

「変!だって、お兄ちゃんの口元は笑ってるのに目は笑ってないよ?

泣いてるように見えるよ?」

「あはは」

小学生にまでバレるなんて、不覚だなぁ。

「いいの、いいの」

そう言ってハナは細い腕を再び僕に絡めてきた。