僕は自分の布団を抜け出し、母さんの熱が篭っているその場所へと移動する。

中学一年にもなって母親と一つの布団で寝るなんて、きっと普通ならば有り得ないのだろう。

でも普通がなんだ。

僕には母さんしかいなくて、母さんにもまた僕しかいなくて。

だから……。

「朔ちゃん、母さんは朔ちゃんが大好きよ」

「何?急に?」

「朔ちゃんは母さんの宝物なの。

とっても大切な存在よ。

朔ちゃん、母さんの子供に生まれてきてくれてありがとう」