「僕がここで出会ったのは二人だった……」

朔の声は酷く静かで吹く風の方が大きな音を出しているんじゃないかと思った。

誰かに話しかけるには小さすぎる声。

もしかしたら聞かせるつもりなんて全くなくて、完璧なひとり言なのかもしれない。

それでも、私はひと言だって逃したくなくて目を瞑って耳をそばだてた。

本当は朔の顔を見ていたいなんて思ったけど、なんだかいまは見ちゃいけないなんて思った。

だから……。

私は耳に全神経を集中させて朔の言葉を拾うことにした。