「え?じゃあどうしてこの場所に来ようと思ったの?」

「僕はこの店に来たこともないしここのおばあさんとは話したことないけど、それでもやっぱりここも思い出の場所だからね」

それは本当のことなんだろう。

朔懐かしむように遠くへと視線を向けている。

「どうしてかって?」

「え?」

「ふふっ。いまのハナってば顔でそう聞いてたよ」

おかしいな?

私ってこんなに表情を隠すの下手だったけ?

「ここはね、僕が安心出来る場所なんだ」