も、朔はすかさず私を安全且つ邪魔にならない場所へと移動させてくれた。

「ありがとう」

「ううん。気づかず入り口に立ったままにさせてごめんね。

じゃあハナ。次の場所に行く?」

「まだあるんだ?」

「あるよ。そうだね。あと三箇所かな」

そう言って朔は空を見上げる。

私も朔の視線を追って空を見上げてみた。

頭上には半分に欠けた月が登っていた。