もう会うことは二度とないだろう。 石畳の上歩くとローファーの音がコツコツとやたらと大きく響いた。 石段を登って、鳥居を潜って、石段を降りて。 薄暗くなった道に出ても誰ともすれ違わなかった。 見飽きた寂れた街をゆっくりと家へと歩く。 その間にも雪は降り続けて地面に厚く積もっている。 なんとなく上を見上げてみた。 そこにはやっぱり灰色の空が広がっていた。 そこから落ちてくる白い塊は、やっぱり全然綺麗なんかじゃなかった。