でもそれは親しみであって否定じゃない。 人のことも自分のことも否定し続けてきた私にはそれが出来る朔は異星人のように感じられる。 だけど、 「それもそうなんだけど、私が意外に思ったのは朔がおばあさんのフルネームを知ってたことだよ」 「んー、意外かなぁ?」 「うん。だって普通は知り得ないじゃん? 苗字はともかく下の名前までとか。 私は近所の人の名前なんて知らないし」 「僕だって絡む人全部が全部フルネームで知ってるわけじゃないよ? 佐藤のばあちゃんは特別」