祈ることのない私はすぐに目を開き合わせた手も解いた。

そうして手持ち無沙汰になっているところをおばあさんに見つかって思わず後ろめたくなる。

「ごめんなさい。

何を話しかけたらいいのか分からなくて」

「いいのいいの気にしないで。

朔坊は特別長いんだから。

爺さんだけの時だっていつまでもああして話しかけてたんだ。

そこにいまはシュガーもいるだろう?

あれはもう五分や十分はああしてるよ。

私だってあんなに話しかけないのにねー。一体何をそんなに話してるんだか」