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「あー、ここのわんちゃんいなくなっちゃったんだねぇ」

大きなわんこの場所で朔の悲痛な声が響いた。

春夏と野菜を実らせる畑の向かいにある商店。

反対側には大きな道路が通っていて、いまは大きめのトラックが時々地面を揺らしている。

ここが次の目的地大きなわんこだった。

「ここのわんちゃん、長生きだったもんね」

「そうだね」

実際何歳だったのかは知らないけど、それでも私が小さい頃からかなりの大きさだったのだから長生きしていたことに変わりないだろう。