思わず漏れ出してしまった小さな言葉を朔は不思議そうな顔で拾い上げた。
「なんでもないの」
だけど私はそれを言葉にすることはできなかった。
だって、その理由が本当に後者だったとして。
それってつまりはそういうことだ。
仮に朔の言うハナが私だとして、だけどそれを認めてしまえばこの関係は崩れていく。
やっぱり朔の勘違いだとして、だけど別の華として仲を深めてしまえば壊れていく。
私と朔は月と太陽。
冬と夏。
夜と朝。
そう言う関係でいなければならない。
それってちょっと、私は嫌だ。
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