「まあいいか。どこでも、なんでも」

「そうそう。

それにさ、ハナにとっては見飽きるほど馴染みのある場所でも案外隣を歩く人が変われば景色も変わって見えるものだよ」

「そもそも私には誰かと一緒に歩いた記憶なんてないんだけどね」

「そうかなぁ」

私の言葉に被さり気味に朔の言葉が降ってくる。

そのせいか私の言葉と朔の言葉が白い塊として混ざり合って、そうして空へと登っていく。

一人の時より大きな塊。