そうなると必然的にこの時間はほとんど誰も歩いていない。 そんな町を、道を。 私と朔は手を繋いで歩いていた。 「ハナ、寒くない?」 「へーき」 「良かった」 そう呟いた朔の口元からは吐息が白い塊になって吐き出されている。 朔はきっと寒いのだろう。 私だって本当は寒い。