「じゃあさ、普通に手を繋ぐならいいかな?」

なのに朔は引き下がらない。

「それはどう言う意味で?」

「僕が繋ぎたいと思ったから」

「ならいいよ」

それならばセーフ。

朔がなら大丈夫。

私のためじゃないならいい。

そう思って手を差し伸べた。

「ありがとう。嬉しいな」

朔はそう言って目を細めるのにその表情はなんだか痛々しくて、朔はやっぱり変な人とか思ってしまう。

「じゃあ行こうか」

朔の声に私たちは手を繋いで足を踏み出した。