私は朔について知らないことの方が多いけれど、それでもきっと、朔は周りの人に大切にされている。

朔も周りの人を大切にしている。

だから、綺麗に包まれたその場所も朔ならばと侵入を許すだろう。

それは嫌だ。

だって、私はさっきついて来ていいと言ったばかりだ。

なのにまだ、私たちはどこにも行ってない。

なのに、最初に受け入れたのは私なのに、それを取られるなんてなんか嫌だ。

「うん。何かいまそう言う気分なの」

「気分なんだ。それじゃあ僕がリードしちゃう!

さあ、お姫様?お手をどうぞ」