「何者って、そんな大層な人間じゃないよ? 僕はどこにでもいるごく普通の男の子。 付け加えるとするならハナのことが大好きな男の子」 「あはは」 「あれ?どうして笑うのかな?」 朔が不思議そうに首を傾げるから、私はさらに大声で笑う。 十五、六の男子が自分のことを男の子とか、あまつさえこんな私を大好きとか。 めちゃくちゃ笑える。 それに、言われたこっちが恥ずかしい。