「そうだよ。だから、ここに居るのが変だって言ってるの。

私たちは全く真逆の道を選んだはずなのにそれがどうしてここに居るのよ!」

ぐちゃぐちゃだ。

私の中はぐちゃぐちゃに乱されていて、そのせいで意味の分からないことばかり言ってしまう。

「それは、ふふ。とても簡単なことだよ」

なのに朔は取り乱すことも怒ることも怪訝な顔をすることもなく、なんともないみたいに笑っている。

「あの道は二股になってはいるけど、どっちに行っても行き着く場所は一緒なんだ。

ただ、僕が歩いてきた道の方が少しだけ遠回りだから時差はあるけど。

それでもどっちに進んでも同じ場所に辿り着く。

たったそれだけのことだよ」