「ハナー、このお茶苦いよー?」 静かな空間を突如破壊する朔の声に思わず汚い視線を投げかけそうになる。 「朔」 だけどおばあさんの手前そんなことはできない。 私は出かかった汚い部分を瞬時に隠してできるだけ落ち着いた声で抗議する。 「実は私、日本茶って初めて淹れたんだ。だから許してね」 自分でも気持ち悪くなるくらい、よそ行き用のトーンで話せた。