だって、ここは私の家じゃない。 ここは私が来ていい場所じゃない。 朔が連れて来てくれた。 おばあさんは上がってと言ってくれた。 だけど違うんだ。 私にはそんな資格なんてない。 価値もない。 私はここにいてはいけない人。 「ハナ?」 なのに。 朔はなんでもないことのように、至極自然に私の手を引いた。 なんでもないことのように私をその領域へと招き入れた 。