手洗い場の鏡に映った自分の顔を見て慌てて表情を作り直す。

ひどく冷たい目だと自分でも思った。

汚いものを見た時のような刺すような目。

先輩に見られなかっただろうか?

まだ先輩には本当の私を知って欲しくない。

せめて先輩が卒業するまでは繋がっていたい。

そうじゃなきゃ学校での私は惨めなだけになってしまう。

もう一度顔を上げて鏡を確認する。

そこには嘘みたいな笑顔を貼り付けた自分が映っている。