「おはよう、朔」

ハナはすっきりした笑顔でそこにいる。

後ろから差し込む太陽なんて目じゃなくて。

いままで僕が見てきたどんな光よりも強く輝いている。




「おはよう、ハナ」

朔は一瞬驚いたように目を見開く。

だけど私が笑いかけるとすぐに目を細めて微笑み返してくれる。

その笑みは朝が来る前に私が会いたいと思ってた朔のもので。



「大丈夫。大丈夫」

ハナはそう言って力強い瞳で僕を見つめている。


「大丈夫。大丈夫」

朔はそう言って目尻の皺を深くする。






ああ。

やっぱりハナは変わらずハナだな、と思う。



うん。

やっぱり朔は朔のまんまだな、と思う。







さあ、

僕たちには、
私たちには、

話し合うべきことが山積みだ。







それを見守るように、カーテンの隙間からは冬の太陽が燦々と降り注いでいる。

それは暑いと錯覚するほどの強い光で……。


もうすぐ春が来るんだと気づかせれくれた。