脱いだブレザーをハンガーにかけて部屋をでる。
階段を下りると海がリビングのドアを開けて待っていた。
「春兄おかえりなさい」
「ただいま」
「慌ててたみたいだけど何かあったの?」
「なんでもないよ。海はもう寝るのか?」
「寝ようと思ったけどもう少し後にする。お母さん。温かい牛乳飲みたい」
「飲んだら歯磨きするのよ」
「はーい」
海に手を引かれながらリビングに入る。
「海ちゃん可愛いねー」
声に振り返ると部屋にいるはずのシヅキが何食わぬ顔で立っていた。
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