「春兄、俺にも」
「あんたはもう三つも食べたじゃない!」
「海、声でかいって。二人分買ってくるから空はもう海の分まで食べないこと」
「ほーい」
「返事くらいちゃんとしなさいよね!」
「海」
俺の声でボリュームを下げるも二人の言い合いは止まらない。
「ありがとうね春人。お金渡すわ」
「いいよ、プリンくらい」
「そう?悪いわねえ」
「それよりご飯。お腹空いて倒れそう」
「はいはい。持ってくるわね」
母さんが用意してくれた夕飯を食べてる間も海と空のやり取りは喫茶店に流れる音楽のように当たり前に続いた。