隣を見るとシヅキはとても穏やかな表情をしていた。

「ねえ春人。私が成仏できたら、たまには空を見上げて星を見て、私を思い出してね」

成仏してもきっと人は星にはなれないだろう。

だけどそうだな。

たまになら空を見上げて君を思ってもいいかもしれない。

どうせ毎日ここに来るんだ。

だから、たまになら、見上げたホシにキミを思い出すのもいいかもしれない。

君は何を思って空を見上げているんだろう。

隣に立っているシヅキはただ真っ直ぐに空を見上げ、星の少ない空を見つめていた。

昨日の夜もシヅキは空を見上げていた。

昨日も今日もその顔に表情はなくて、嬉しいのか悲しいのか、それすらも読み取れなかった。