「突然お尋ねしてしまいすみません。シヅキさんの友人の北本です」

「あらあら、ちょっと待ってくださいね」

インターホンから声が離れてすぐに玄関が開かれた。

シヅキと同じ、深い黒の瞳をした女の人が出迎えてくれる。

「ごめんなさいね。いま」

「いきなりお尋ねしてしまってすいません。あのこれ。どうぞ」

持ってきた小さな花束とお菓子をずいっと差し出す。

「あらまあ、素敵なお花。私が受け取っていいのかしら?とりあえず中へどうぞ」

「お邪魔します」