ーコンコン

「春?」

「食べ終わったか?」

「うん。お待たせ。本当は一人でも帰れるけどおばさんが春に送ってもらえって」

「制服のまんまだしな。行くか」

「春。ありがとう」

「なんだよ珍しい」

「珍しくないよ!いつも思ってるけど言う前に春がいなくなっちゃうの!でも今日は久しぶりにゆっくり話せたから」

「そうか」

階段を降りる音を聞きつけて海がリビングから飛び出してくる。

「凪ちゃん、また来てね」

「海ちゃーん。また来るよー」

「来なくていいよ」

「そーら。また来るからねー」