年の離れた姉弟がいるから。

もう高校生なんだから。

甘えてはいけない、しっかりしなきゃ。

そう無自覚のうちに思っていた。

父さんは子供三人のために働いていて、母さんは家のことを全部して、だから俺も頑張らなきゃと、父さんと母さんを助けなきゃと、そう思っていた。

だけど違うんだ。

高校生なんかまだまだ子供で、父さんや母さんにとったら俺はいつまでも子供なんだ。

「喧嘩はしてないよ」

母さんはベッドに腰掛けながら、優しい穏やかな声で「うん」と言った。