「お友達の住所?」
「うん」
「学校の子?随分遠くから通ってる子もいるのね」
「うん。でも電車に乗っちゃえば意外とそんなに遠くはないよ」
遠くない。
ここからだって一時間ちょっとで行ける。
すぐに行ける距離にシヅキの家はあるのに。
「喧嘩でもしたの?」
「え?」
「様子がおかしかったから」
「そうかな」
「うん。昨日、帰ってきてからかしら。なんだか無理しているような感じがして。いつも春人には甘えちゃってるけど、お母さんにとって春人も可愛い子供なのよ。たまには甘えてもいいのよ」
母さんに言われて初めて自覚した。