「春兄いいなー。海も早くスマホ欲しい」

「俺も」

「中学に上がるまでは我慢しなさい。春人、ケーキ切っていいかしら」

「うん」

一日遅れで食べたケーキは昨日喫茶店で食べたのより甘くて、スポンジだってふわふわで、毎年食べてきた同じ店の同じケーキだった。

だけどなんでかな。

いつもより美味しく感じて、また溢れそうになる涙を堪えるのが大変だった。

※※※

夕飯を食べて。

プレゼントをもらって。

ケーキを食べて。

風呂に入ってからベッドに倒れこんだ。

いつかシヅキがしていたようにベッドに大の字になって窓から空を見上げた。

今日は疲れた。