嘘じゃない。
優しさじゃない。
本当に欲しかった。
薄紫の小さいお守り袋。
シヅキが残していったネックレスを入れるのにちょうどいい大きさのそれは素直に嬉しかった。
これならいつでも持っていられる。
無くさないよう。
大切に。
いつでも。
「三人とも。ケーキ切るわよ」
「やった。やっと食える」
「お母さんろうそくは?」
「あるわよ」
電気を消して七本のろうそくに火が灯される。
長いろうそくが一本。
短いろうそくが六本。
七つの明るいオレンジの光がちらちらと揺れる。
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