「こほん。では、改めまして。春兄、十六歳のお誕生日おめでとう!」

「おめでとう」

「ありがとう」

『お誕生日おめでとう』

ありがとう。

本当はケーキも一緒に食べたかったけど、我慢する。いまは耳に残ってるこの声で我慢するから。

今日は俺の誕生日会だ。

だから好きなだけ君を思い出してもいいだろう。

海の音頭で乾杯をして、俺の好物をお腹いっぱい食べた。

色々なことがあり過ぎて朝から何も食べていなかった俺は、それはもうみんながびっくりするくらいたくさん食べた。