「私のため、だったんだよね。ありがとう」
「俺がしたくてしてたんだ。お礼なんていらないよ」
「でも。それでも。ありがとう」
そう言ってシヅキが微笑んだ瞬間、その輪郭が淡く光りだした。
「シヅキ」
「ごめんね。もう、本当に、時間が、ないみたい」
「嫌だ。まだ、まだ準備できてない。シヅキ」
「春人。覚えてる?いつになるか分からないけど、絶対、空いっぱいの星を見せるから、だからたまに、本当にたまにでいいから、空を見上げて、私を、思い出してね」
体が透き通っていく。
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