「これ、星月ちゃんの住所です」

「ありがとうございます」

「でも星月ちゃんは」

「いいじゃん。もう行こうよ」

「でも」

「本当にありがとうございました」

もう一度丁寧に頭を下げた。

「じゃあ失礼します」

良かった。

これでシヅキに家族と会わせてあげられる。

良かった。

俺はずるずるとベンチに倒れ込み、そのままシヅキが帰ってくるのを待った。