「あの、あなたはー」 「北本です。北本春人。事故ってシヅキのことですか?」 「そう、ですけど」 「学校の帰りに家の近くで事故にあったの知らないんですか?」 事故にあった? シヅキが? だってシヅキには傷なんて一つもなかったじゃないか。 いや、そんなことどうでもいい。 それより…… シヅキは、本当に、幽霊だったんだ。 目の前が真っ暗になった。 立っているのがやっとで頭がうまく回らない。 嘘だ。 シヅキが事故にあったなんてそんなこと。 もうここに居ないなんて……