深い黒の瞳が力強く俺を見据える。

初めて見る力強い瞳。

そこには心細さとか恐怖とかそういったものは一切なく、ただただ透き通っていて、とても綺麗に輝いていた。

シヅキは全部受け入れているんだろう。

だからちゃんと、自分で、自分の目で確かめたいんだ。

分かってる。

さっきからずっとシヅキはそう言っている。

だけど俺は……本当はそんなこと知りたくない。

受け入れたくない。

シヅキを一人にしたくない。


"俺が"一人になりたくない。


「春人。大丈夫だから。ちゃんと帰ってくるから。心配しないで待ってて」