「もうすぐだな」

「うん?」

「今日のうちに何かシヅキのことが分かるかもしれないだろう。なんか緊張する」

「なんで春人が緊張するの?」

「シヅキは緊張しないのか?」

「うーん……」

シヅキの視線が俺から窓の外に移る。

夜が終わって朝がきて。

空には月も星もないけれどその代わりに太陽が昇って。

その光がシヅキの鎖骨の辺りにある小さな星をちらちらと光らせる。

金色のチェーンに金色の星。

無駄なものは一切なくて、二つの星が連なっただけのシンプルなネックレス。

それが俺のより白い肌の色と胸元にかかっている真っ黒の髪によく映えていた。