だけど俺にそんな価値が本当にあるのかな。 これから待っていった未来に見合うだけ、俺は君に何かしてあげられているのだろうか。 「どうしたの?」 「あげる」 ベッドから起き上がって、ブレザーのポッケにしまったまま忘れていたものを取り出してシヅキの前に差し出す。 「え?」 「欲しそうにしてたから」 「これ……」 凪と立ち寄ったアクセサリーショップでシヅキが見ていたそれを、あげようと思って買ったのに忘れていた。