「ああ、まだ眠くない」

「春人って寝つき悪いよね」

「そうかな」

「そうだよ。いつもベッドに入ってからもしばらく起きてる」

「考え事してたんだ」

部屋の隅からシヅキが俺の隣へと移動してくる。

「考え事?」

「明日、シヅキが通ってた学校に行ったら、何か分かるのかなって」

「どうだろう?でも考えたって答えなんかでないでしょ」

「そうだけど」

「明日のことは明日考えよう?ちゃんと寝ないとお肌に悪いよ」

「肌って、俺は男だぞ」

「分かってるよ。でもいまは男の人もお肌に気を使ってる人が多いんだよ」

「たまに遅くまで起きてたくらいじゃ変わらないだろう」

「そんなことないよ」