「試してみよう。シヅキと一緒に食べたいんだ」

首を傾げて、だけど深い黒の瞳を真っ直ぐに俺に向けたままシヅキが尋ねる。

「なんで?」

なんでだろう。

分からないけど君と一緒に食べたいと、そう思ったんだ。

「祝ってくれるんだろう?」

「うん」

「じゃあケーキも一緒に食べようよ」

シヅキは答える代わりににっこりと笑みを浮かべた。

「よし、帰るか」