暗くなった公園で眼下に広がる明かりを眺めながらぽつりぽつりと言葉を交わして、それから止めていた自転車に二人で乗って、最後の急な坂道を並んで歩いた。

昨日そうしたように、一台の自転車を二人で押して歩いた。

途中、たまに見るサラリーマンに追い越された。

その人は今日も必死になって自転車を漕いでいて、つい数日前までは俺もそうしていたのにいまは当たり前のように自転車を押して二人で歩いた。

丘には人影はなくて、街灯の小さな明かりと洋菓子屋の横に建っている自販機が街灯よりも明るく光っているだけだった。