「シヅキ」
「なあに?」
「約束したこと覚えてる?」
心配だった。
「うん。消える時は、その時はちゃんと春人に教えるよ」
「絶対だぞ」
「うん」
「約束だからな」
「春人は心配性だね」
そう言ってシヅキは笑った。
だけど仕方ないじゃないか。
いまここにシヅキはいる。
俺の隣にいて笑っている。
消える時は教えると言っている。
だけどそう言うシヅキはいまにも消えてしまいそうなくらい儚げで。
だから何回も念を押して確認しないと不安だった。
そうしないといまこの瞬間、君が消えてしまうんじゃないかと思った。