いま隣にシヅキはいる。

確かにいる。

だけどそれはいつかはなくなってしまうことで、成仏してしまえばシヅキはこの世から消えてしまう。

それがシヅキのためだ。

どうしてシヅキは幽霊としてこの場所に留まっているのか分からない。

分からないけど何かやり残したことがあって、だからこうしていまここに存在している。

それでもシヅキにとってこの世界はあまりにも不安定で不確かなものだ。

ここはシヅキがいるべき場所じゃない。

分かってたことだ。

始まりなんてない。

出会った瞬間から俺たちは終わらせるために一緒にいる。