「何か欲しいのか?」
「そうじゃないけど。ただ見て歩くだけでも楽しいでしょ」
「シヅキがいいなら」
「じゃあ決まり。もう着くね。今日もお仕事頑張ってね」
すぐ後ろにシヅキはいるのに、その声はなんだか遠くから聞こえているような確かな距離をもって耳の奥に響いた。
ーピッピッ
レジ打ちをしながら合間に店の隅に目を止める。
そこではシヅキがひらひらと手を振っていた。
一昨日は俺のすぐ横で騒がしくしていたシヅキが今日は店の隅で大人しくしている。
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