「感動したねー。切なすぎて涙が止まらなかったよ」

映画を観終わった後、感動を話して共有したいと言うシヅキに付き合うために俺たちは近くの神社にきていた。

時折参拝する人が来るものの人気の少ないこの場所なら少しくらい話せるだろう。

「俺にはよく分からなかったな」

「真奈が秘密を打ち明ける時とかドキドキしなかった?」

「んー。大体予想してたしなぁ」

「じゃあ真也が『待ってる』って言ったシーンは?あれは泣けたでしょ?」

「でもあの場合待つのは仕方ないことなんじゃないか」

「そんなふうに割り切れないよ。今までずっと一緒に居たんだよ?それが急に何年も離れ離れになるとか切ないでしょ?せっかく想いを通わせられたのに」