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その日はやけに日差しが強く、いつまでも動けないでいる私をベッドから追い立てるように部屋の中をぎらぎらと照らしつけていた。

ゆっくりと瞼を持ち上げると冬の太陽が持つ清々しい光が満ちていた。

眩しさに耐えられず目を細めながら思う。

どうして。

本当にどうして……。

冷えた体を温めるように降り注ぐ太陽の光ですら、どうして私には優しく照りつけてはくれないのだろう。

どうして私をそっとしておいてはくれないのだろう。

不意に涙が溢れそうになる。

だけどそう思うだけ。

涙が流れることは決してない。

あの日に失ってしまったから。

笑うことも泣くことも、何かに奪われてしまって私にはできなくなっていた。