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遠くで鳴く猫や犬の声を聞きながら眠れない夜をやりすごした。

身支度を整えては電車に乗れず家に引き返して毎日を過ごした。

ろくに食事をとっていないのに体はどんどん重くなっていき私をベッドに縛りつけた。

全てが。

外から聞こえてくる話し声も。

毎日きちんとやってくる朝も夜も。

なにより私自身が。

私にとって敵になっていた。