彼の言葉に不思議と驚かなかった。

驚けなかった。

怒りも悲しみも感じなかった。

「俺なしじゃ生きてけなくなるくらい、なんで俺でいっぱいにならない。

俺でいっぱいになると思って好きになったのに、なんでならない」

そうか。

私は彼に追い込まれてたんだ。

「いらない。そんなお前なんかいらない。

でも他の奴にも渡さない。そんなの許さない。

俺以外の男で満たされるなんて、そんなの許されない。

消えればいい。おまえなんて消えてなくなればいい」

その日。

その時。

私は全てを失った。

幸せも涙も全部。

何もかも。