「他に言うこと。言いたいことがあるだろう。 いま菜乃花は辛いんじゃないのか? 助けて欲しいんじゃないのか?」 「全部嘘です!私は何もしてません!」 「そうじゃないだろ!」 桧山さんの声が冷たく響く。 「なんで何も言わないんだよ! 辛いならなんで俺を頼らない? なんで普通に仕事してる? よそ見できないように、俺しか見えなくなるようにしたのに。 なんで俺を見ない?」