「桧山さん、早くしないと席なくなりますよ」
桧山さんの後ろにはかつての取り巻きの子たちがいて、そんなことを言っていた。
「そうだな。いま行く」
そう言うと桧山さんは私に背を向けその子たちと外へ行ってしまった。
この間まで私にも声をかけてくれていたのに今日はそれがない。
桧山さんの態度と部署の空気に不安と違和感が少しずつ大きくなっていった。
明らかに何かが変わった。
だけど何が変わったのか、どう変わったのか。
分からないまま数日が過ぎていった。
その間にも違和感は日を増すごとに大きくなり続けた。
それは次第に敵意を持つようになっていった。