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「桧山さん!」

お昼休み、席を立とうとしていた桧山さんを呼び止めると僅かに部署の空気が変わった気がした。

「菜乃花。もう風邪は大丈夫?」

言葉はいつも通りなのに桧山さんの表情はなぜか固かった。

「大丈夫です。連絡もできなくてすみませんでした」

「寝込んでたんだろう。仕方ないよ」

桧山さんの放つ微妙な空気に会話が途切れる。

何か、何か言わなきゃ。

必死に頭を働かせるも言葉がうまく出ない。