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梅雨に入り街が重い雨空に包まれ、纏わりつくような湿気が人々を憂鬱な気分にさせる頃には私の味方は誰一人としていなくなっていた。

そもそも私に味方なんかいたのだろうか。

本当は最初から一人だったんじゃないのだろうか?

そんなことすら私には分からなかった。

さすがに大人の世界だ。

学園ドラマで観るような表立った被害はなかった。

それでも誰もが私と必要以上に関わるのを避けているのは明らかで。

無遠慮に注がれる視線は痛みを伴うほどに冷たかった。